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「変わらない青」は、LiSAの楽曲。 基本情報 配信初出日 2019年10月1日 CD初出日 2012年8月8日 アーティスト LiSA 発売元 アニプレックス 作詞 LiSA 作曲 渡辺翔 編曲 鈴木Daichi秀行 Guitar 鈴木Daichi秀行 Bass All programming sound Drums 山内優 Producer 山内真治 (ANIPLEX)長谷川洋輔 (Sony Music Artists) Director 岡村弦 (ANIPLEX) Recording Engineer GENDAM (I to I Communications) Mixing Engineer Assistant Engineer 青木悠 (STUDIO GREEN BIRD)込山拓哉 (ONKIO HAUS)杉山ダニエル祐樹 (Studio Cubic) Recording Studios STUDIO GREEN BIRDONKIO HAUSStudio CubicAladdin Lounge StudioSTARCHILD STUDIO Mastering Engineer 茅根裕司 (Sony Music Studios Tokyo) Mastering Studio Sony Music Studios Tokyo ※初出CD準拠 収録CD 発売日 商品名 DiscNo. TrackNo. 楽曲名 歌唱 2012年8月8日 『crossing field』期間生産限定盤:SVWC-7871 - 3 「変わらない青」 LiSA
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変わらない姉「穂積 さやか」 読み:かわらないあね「ほづみ さやか」 カテゴリー:Chara/女性 作品:夜明け前より瑠璃色な 属性:地 ATK:5(-) DEF:5(+1) 【登場】〔自分の手札の 夜明け前より瑠璃色な のキャラカード1枚を控え室に置く〕 [自動]このキャラがアタックキャラに選ばれた場合、バトル終了時まで、このキャラは攻撃力が3上昇する。 『貫通』 酔っていたってことは、本音を言っていたのかも知れないわ illust:オーガスト AU-186 C 収録:ブースターパック 「OS:オーガスト2.00」
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トップ 静寂22号 『変わらない想い』木曽ラト 名前 コメント すべてのコメントを見る
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バトルのパーティーを決める際、ポケモンをタップすると基本は黄緑色に変わるのだが、黄緑色にならないためどのポケモンを選んでいるかが分かりづらくなるバグ。 ※未修正
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《いつまでも変わらない》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト1/緑 《使用条件》 自分の『Aチャンネル』のキャラ4枚以上。 [メイン/自分] デッキの上のカード5枚を見て、その中にある『Aチャンネル』のキャラを2枚まで抜き出し、表にしてから手札に加える。その後、残りのカードを任意の順番でデッキの下に移す。 Aチャンネルで登場した緑色のイベントカード。 自分の『Aチャンネル』キャラが4枚いる時に発動でき、デッキの上のカード5枚を見て、その中から『Aチャンネル』キャラを2枚まで手札に加え、残りのカードをデッキの下に任意の順番で移す効果を持つ。 『Aチャンネル』キャラ専用のサーチカード。 《最悪な第一印象》と比べるとサーチ範囲が狭く発動条件もあるが、コスト0なので2枚のサーチに成功すれば1 2交換となる。 《トオル(031)》などのデッキトップを操作するカードと併用すれば成功率も大幅に上げられるので、<Aチャンネル>では《かわいい友達》のような手札増強カードとして運用しよう。 カードイラストは第12話「宇宙人 Anytime」のラストシーンで、アニメ版のストーリーを締めくくるワンシーン。 関連項目 《最悪な第一印象》 《これからも仲間だから》 《愉快な仲間たち》 収録 Aチャンネル 01-122 パラレル Aチャンネルスターターデッキ 01-122 編集
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元スレURL 彼方「きっと変わらない日常」 概要 いつも通りの日常に影を差す何者かの気配 “見られている”感覚に怯える彼方は… 関連作 スーパーで近江彼方ちゃん見つけた (別視点スレ) タグ ^近江彼方 ^R-18 名前 コメント
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・餡子ンペ09出展作品 ・テーマは3.改造「無双」 ・なのですが、書いてて気づいた。「無双」要素は入ってるけどメインじゃないな、と。 ・でも、皆許してくれるよね? ……よね? ・最後に、長くてごめんなさいorz 季節は、まさに晩秋。 滅多に人の踏み入らぬ山中の奥深くには、雑然と生い茂った冬枯れの木々と色とりどりの枯葉の絨毯が織り成す景観が広がっていた。 そのどことなく哀愁を感じさせる天然の美は、間もなく到来するであろう死の季節の無残をまじまじと想起させる。 故に、人の心を掴んで放すことはない。 そんな雄大な自然の景色に紛れ込んだ異質な点が一つ。 立ち枯れの木の下に無作為に詰まれた木切れや落ち葉。 何かを隠していると言わんばかりの不自然な盛り上がりは、そこに洞があることをこれでもかと言わんばかりに主張していた。 「ゆゆーん! れいむのかわいいおちびちゃんたち、ゆっくりうまれてきてね!!!」 「ゆっふっふ、もうすぐうまれそうだね!!! まりさ、はやくかわいいおちびちゃんたちとすーりすーりしたいよ!!!」 ゆっくりの夫婦であった。 大きな赤いリボンで結った黒のショートヘアーとピコピコと面妖な動きを見せるもみ上げを具えたれいむ。 片側に寄せた三つ編みのブロンドにヒラヒラとした白いフリルの付いた黒いウィッチハットを被ったまりさ。 直径30cm程度の平均成ゆんサイズの二匹の組み合わせは、一番目にする機会の多い、何の変哲もなく最も詰まらない組み合わせの一つである。 野良ゆと比較すると割と小奇麗な野生の二匹は、季節を無視して訪れたこの世の春を全身で謳歌していた。 れいむは、そのもみ上げを用いて、大きく膨れた己の腹を大切そうに抱え、まりさは、れいむの大きな腹に愛おし気に頬を擦り付ける。 暗雲立ち込める寒空の下にあって、そこだけは本当に春が訪れているかのようだ。 何と中睦ましいことであろうか。 いつの時代であっても変わらないものがある。 その名は、「愛」 如何なる万難であろうとも、愛し合う二匹を前にすれば、自ずから道を譲るであろう。 ゆん生の絶頂にある二匹が考えているのは、大凡そのようなことであった。 「ゆ! 『はやく』なんていったらだめだよ、まりさ!!! おちびちゃんたちは、もっとゆっくりしないと!!!」 「そうだね!!! おとうさん、せっかちだったよ!!! ごめんねおちびちゃんたち!!!」 しかし、絶頂とは頂点。 天に吐いた唾は地に引かれて己に降りかかり、空高く放り投げた饅頭は美しい放物線を描いた後、ぶっ潰れる。 即ち、達した後は落ちる。 それが必定。 一瞬の出来事であった。 30分もの時間を掛け、二人で施した結界――カモフラージュは、バッサと音を立てて崩れ去り、自然には存在し得ない人工の光が洞の中を遠慮なく蹂躙した。 「あーらら、冬篭りにしては塞ぎ方が甘いと思ったけど、食料も準備してないとはね」 人間の男子である。 灰色のスーツと真っ赤なカッターシャツ、桜の花びらをあしらった青いネクタイに茶色の革靴。 配色センスに難あり。 それ以前に、山中に着て来るべき装飾ではない。 短いブロンドを几帳面に、きっちりと七三に分けた男からは、少年の様な若々しさと壮年の如き疲れが感じられる。 だが、最も印象的なのは、その眼球。 十人中八、九が気味悪いと答えるであろう瞳は、得体の知れない輝きで満ちていた。 「しかも、子持ち……か」 巣の中を嘗め回す様に物色した男は、れいむの膨れた腹に視線を遣やり、ニターッと口元だけを吊り上げた。 果たして、それは笑みであったのか。 喜悦を表さぬその目から読み取ることは、困難であった。 「ゆゆ!!? ここは、まりさとれいむのおうちだよ!!! ゆっくりできないにんげんさんは、さっさとでていってね!!! ぷくぅ!!!」 「そうだよ!!! けっかいさんをなおしたら、ぐずぐずしないで、でていってね!!!」 ぷぅっと全身に空気を満たし、まりさが丸々と膨れた。 柔軟性の高い餅の様な肌を、取り込んだ空気により拡張する技術は、人間のパンプアップの比ではない。 ゆっくりの如き矮小なる存在が、厳しい自然の中で生き残るための要にして、唯一の奥義「威嚇」であった。 一方、れいむは、まりさの陰に隠れ、面妖なもみ上げをしきりに上下に動かす。 無論、まりさの為した技が、れいむに出来ぬという道理などはない。 威嚇による負担が、腹の子に害為すのを恐れたためである。 双方共に人の怒りを誘うだけの無意味で見苦しい姿であった。 しかし、男は、その様に憤りなど、ましてや恐怖など、チョコポッキーの持つ部位ほどにも抱きはしなかった。 「安心しなよ。僕は、君たちに危害を加えるつもりは無いからさ」 その言葉に安堵し、威嚇の姿勢を解くまりさ。 「ぷひゅるるる」と口にしつつ、実際には、ぷぴゅぅっという、どちらにしても間の抜けた音を立て萎む彼女は、何を思ったのであろう。 男の言葉を素直に信じたのか、はたまた、男が己の威嚇に恐れを成したとでも思ったのか。 一方、れいむは、未だ警戒を解いてはいないようであった。 男をキッと睨み付ける彼女が持つ猜疑の心は、生来のものか、はたまた、身篭ったことで育まれた母性のためか。 もっとも、どちらにしても関係などない。 威嚇の有無、警戒の有無など、人間にとっては、「100kgの巨漢が1kg太った」程度の違いでしかないのだ。 「危害は加えないとも。君たち二匹には、ね」 フシュッ、フシュッ その言葉と共に目の前の二匹に向けて、背に潜ませていたスプレーが噴霧された。 抜き放ち噴霧するまでの時間、僅か0.25秒。 人間であっても、捉えることは困難な早業であった。 「れいむ、なんだか…すーやすーやしたくなって…きたよ……」 「ゆぅぅ……まりさも…もうおやすみ…したくなってきた…よ……」 忽ち熟睡。 男が噴霧したのは、何のことはない炭酸ガスであった。 当然、生物を深い眠りへと誘う程の量ではない。 悲しきは、ゆっくりの性。 人のイメージにより生まれたが故に、人の抱く「ゆっくりならば、こうなるだろう」というイメージがダイレクトに作用する特性か。 ゆっくり夫婦が目覚めぬことを確認した男は、二匹を暗い洞から引き摺り出し、登山用ナップザックに詰め、ゆっくりとした歩調で歩き出した。 「ゆっくりお休み。多分、これが最後のゆっくりなんだしさ」 囁くような声で呟いた男の目は、やはり笑ってなどいなかった。 ―――――――――――――――――――――――――― 「れ…む!!! ゆっ……しない……きてね!!! れいむ!!!」 れいむ、起床。 まず、彼女が感じたのは、背中から伝わるひんやりとした感触であった。 ぼんやりとして定まらぬ視界に映るのは、主に直線で構成された壁。 曲線を主とした己らの住処とは異なる造り。 見たこともない素材による構築物からは、木や土の持つ温かみ等が一切伝わってこない。 「れいむ!!! しっかりしてね!!! だいじょうぶ!!? おなかはいたくないの!!?」 そうだ、まりさは、無事なのか? れいむは声のした方を見遣った。 そこには一体満足の最愛のゆっくりの姿。 一先ずの安息を得たれいむであったが、懸念事項の一つが解決すれば、別の懸念事項が鎌首を擡げるのが世の常である。 先ほど、まりさは、なんと言った? 「おなかはいたくないの?」 そう言わなかったか? 痛みは感じない。 それでも一抹の不安を抱えて、愛しい子供の宿った己の腹を見やる。 そこにあったのは、チューブに繋がった一本の針であった。 断面の直径が1cm程もあろうかという針が、分厚い腹の皮を突き破り、餡子深くに突き立っていたのだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!! なんなのごれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 思わず身を捩って暴れようとするれいむであったが、どうしたわけか体が動かない。 その理由は、対面にいるまりさが知っていた。 れいむは、傾斜60°の合金製の板に黒い皮製のベルトでしっかりと固定されていたのだ。 貧弱なゆっくり如きの身では、身じろぎすらままならぬ過剰拘束であった。 「あーあ、駄目だよ。そんなに暴れちゃ。お腹の赤ちゃんたちが、ゆっくりできなくなっちゃうよ」 必死で針から逃れようとするれいむであったが、我が子を引き合いに出されたのであるならば、止まる以外の術など無い。 いつから、そこいたのだろうか。 なけなしの蛍光灯が照らし出す薄暗い地下室の一角に、あの男が立っていた。 「おい!!! くそじじぃ!!! さっさとまりさとれいむをかいほうしてね!!! まりさは、とってもつよいんだよ!!!」 男の存在に気付いたまりさが憤怒の形相で叫ぶ。 どうやら、この状況の原因がこの男にあることは、餡子脳なりに理解出来ているようだ。 にもかかわらず、彼女が男に挑みかかろうとしないのは、彼我の戦力差を理解しているためではない。 彼女の後頭部には、鎖に繋がれた杭が打ち込まれていた。 体の奥深くに突き立ったそれは、引き抜こうとする度に、覚悟無きゆっくりの精神では耐え切れぬほどの苦痛を彼女の体に齎していた。 しかし、今になって叫んだのは男が声を発して初めて、その存在に気付いたからに他ならない。 果たして、これは男の存在感が大気の如く希薄なためか、まりさの脳が極度に間抜けなためか。 「嫌だよ。こんなことした張本人に頼むことじゃないでしょ? 馬鹿なの? 死ぬの?」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」 男は、至極当然だと言わんばかりに、しれっと言い切った。 その答えに涙を流し、不満と怨嗟の声を上げる夫婦であったが、男には取り合うつもりなど無い。 「まあ、君たちが馬鹿なのも、死ぬのもいいとしてさ。そこのれいむのお腹に刺さっているのが何だかわかるかい? ああ、別に答えなくていいよ。どうせ分からないだろうからね」 れいむが固定された台座の後ろに潜んでいた彼は、話を続けつつゆっくり夫婦の正面に設置された薄い箱の横に移動した。 薄い箱――縦19インチ、横22インチの液晶モニターの画面には、何も映し出されていない。 ただ、そこにあるそれは、蛍光灯の光を跳ね返すだけの黒い不気味な箱であった。 「それはね、腹腔手術用のカメラさ。お腹の中を見るための道具だと思ったらいいよ。僕も詳しくは知らないんだけどね」 簡単に説明を行いつつ、手馴れた様子でモニター及び周辺機器を弄っていた男の手がピタリと止まった。 その瞬間、画面が一瞬眩い煌きを放った後、ここではない場所の映像を映し出していた。 ブヨブヨとした壁で覆われた約15cm四方の空間。 ゆっくりの子宮であった。 そこには、ゆぴー、ゆぴーと可愛らしい寝息を立てるゆっくりの赤子の姿が映し出されていた。 れいむ一匹にまりさ一匹の構成。 丸呑みにしてやって、胃の中から響き渡る、とろけるような悲鳴を楽しみたい。 それほどまでに愛らしい。 「ゆう!? も、もしかして、れいむたちのおちびちゃんなの!!?」 最初に気付いたのは、れいむであった。 母子の繋がり故か、男の言葉を鵜呑みにした故か。 おそらく前者であろう。 母と子の繋がりは、意外と深いもの。 これもまた、古今東西において変わらぬ理である。 硬いか脆いかは、別として。 一方、半信半疑なまりさではあったが、れいむの言葉もあってか、よくよくモニターに目を凝らせば、気付くことが幾つか。 画面中のれいむのリボンやまりさの帽子は、自分たちの装飾に細かい所がとてもよく似ている。 無論、人間の目には、その区別などつきはしない。 「ゆーん♪ れいむのおちびちゃん、とってもゆっくりしてるよー!!!」 「とってもかわいいおちびちゃんたちだね!!!」 画面の我が子たちを、れいむはウルウルと潤んだ瞳で、まりさは照れくさそうな笑いを浮かべて見守る。 変則的な家族の団欒であった。 時と場所によっては、実に絵になる微笑ましい光景であったろうに。 「そうだね。とっても可愛い赤ちゃんたちだね。お顔を見るのは、これで最後になるから、よーく見ておくんだよ」 地獄の始まりを告げる言霊であった。 「ゆ? なにいってるの? そんなわけないでしょ?」 「そうだよ! まりさたちは、うまれたおちびちゃんたちといっしょに、まいにちゆっくりするんだよ? ばかなの? しぬの?」 ゆっくり夫婦は、ここに至って「最後」の意味を未だ理解していない。 人間に捕まったという状況は、まさに土壇場。 それでもなお、家族の団欒が未来において確約されていると信じていた。 恐るべき餡子脳の為せる業か、それとも単なる逃避であるのか。 一思いに、致命傷をくれてやるのも時としては情けとなる。 「んーん。最後だよ。だって、僕がこれから殺すんだもん」 生まれてすらいない子を殺すとは、如何なる所業か。 生と死は表裏一体。 生無くして、死、之成り立たぬ。 餡子脳がその考えに至ったかは、定かではない。 それでも、未だ生まれ出でぬ子を殺す非道など、野にて生を送ってきた夫婦が知る由もないことであった。 それを気にすることなく、男は壁際の装置へと歩み寄る。 「掃除機って……知ってるわけないよね。人間がお掃除に使う道具だよ。普通は、ゴミさんを吸い込むために使うのさ。でもね、今日はそれをれいむのまむまむに突っ込んで、れいむのお腹の赤ちゃんたちを吸い殺そうと思うんだ。勿論、れいむの体が吸い込まれちゃわないように、別の管から子宮の中に空気を入れながら吸うよ。ゆっくり版の人工ちゅうっ! ぜつっ!だね。楽しいね?」 微塵も楽しそうではなかった。 一方、述べた男の目のドス暗い輝きは、ますます輝きを増していた。 にもかかわらず、やはり目だけは笑っていない。 微塵も楽しそうではなかった。 ここに来て、ようやく男の意図を完全に把握出来た夫婦であったが、想像を絶する残酷故に喉を出る言葉など欠片も無かった。 「じゃじゃーん。『ターボタイガー・フ○ラス』−。これなんてどうかな? 重たいダンベルを吸い上げるっていうCMを見て、思わず衝動買いしちゃった一品だね。買ったのは結構昔だけど、あんまり使ってないからバリバリ吸い込めるよ」 シルバーカラーのサイクロン式掃除機は、ハンディークリーナーにもなる優れものである。 ちなみに、CMでは、やたらハイテンションな米国人が製品を紹介してくれていたが、前作の金色の掃除機の時の方がテンション高かったと専らの噂である。 現在は、販売していない。 「「いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」 夢想だにしない話故に現実感の沸かぬゆっくり夫婦であったが、実物として存在する装置の無骨さが急速に話に現実味を与える。 途端に上がる悲鳴。 二匹の否定が何を意味するのか。 当然、男にも理解できた。 だが、敢えてその意を取り違えて苦しめてやるという遊び心が、この男にも存在した。 「そうだね。確かに、こんな昔のじゃ嫌だよね。じゃあ、こっちはどうかな? 吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機『D○26』。吸引仕事率は、タイガーの2倍以上あるよ。集塵スペースも透明だから、粉々になった赤ちゃんゆっくりがグールグールしているのもばっちり見えちゃうよ。わくわくするね?」 言わずと知れたdie son製掃除機であった。 通常の掃除機はフィルターの目詰まりによって吸引力の低下が引き起こされるのだが、この掃除機は独自の機構により空気とゴミを遠心分離することで吸引力を保つという、他社にはない特徴を兼ね備えている。 吸引仕事率は、ナショ○ル「MC-P6○0JX」やHe立「ハ○ワースター CV-PK10」のような650W越えのモンスターと比較すると見劣りするが、それでも堂々の200Wである。 「ぞんなのみだぐないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「やめでぇぇぇぇぇぇぇ!!!! ぐーるぐーるは、ゆっぐりでぎないぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 涙、しーしーと言わず体中の穴から体液を飛び散らせて嫌がる二匹。 男にとっては最高に素敵な機構も、彼女らには到底受け入れられない悪魔の発明のようである。 ならばと、男は取って置きを出すことにした。 秘蔵の一品をお披露目する男の顔に宿る表情は、如何なるものであろう。 「うふ、うふふ、うふふふふ……。やっぱりこうなっちゃったね。仕方ないなー。じゃあ、僕の取って置きを見せてあげるよ!!」 満面の笑顔であった。 先ほどまでの口元だけを吊り上げた歪な笑みではない。 子供が自慢のおもちゃを見せびらかすときのような、あるいは、ゆっくり工作の父「虐々さん」が台所用品で全自動ゆっくり絞り機を作ったときのような晴れ晴れとした厭らしい笑顔であった。 「じゃんじゃかじゃーん! 『U2C0』ー! これは凄いよー。何といっても僕が作った魔改造掃除機だからねー。諸々の事情で実際の吸引仕事率は測定できなかったけど、それでもターボパワー運転時のパワーは確実に800W以上あると思うよ! まあ、そのせいで最近流行のエコからは程遠い代物になっちゃったけどね。てへっ☆」 紙パック式掃除機を二台繋げたような、歪なフォルムの掃除機は、重さや形状といった、運搬製、収納性を完全に無視して只管に吸引力の向上のみを目指した匠の拘りを感じさせる一品であった。 男の態度もまた、先ほどまでの気だるげなものから一新していた。 いそいそと紙パックフィルターやノズルを取り付ける様は、本当に楽しそうである。 一方、ゆっくり夫婦は、男の言葉の意味の半分も理解出来ていなかった。 ただ、これだけは理解できた。 あの機械が動き出せば最後。 可愛い可愛いおちびちゃんたちは、絶対に助からない。 「おねがいじまずぅぅぅぅぅ!!! でいぶだぢがわるいごどじだならあやばりまずがらだずげでぐだざいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 「どうが、おねがいじまずぅぅぅぅ!!!! まじざとでいぶのあいだにでぎだ、はじめでのあがちゃんなんでずぅぅぅぅぅぅ!!!!」 必死の懇願であった。 れいむは、体の動く範囲で頭を下げるように体を傾け、まりさは、顔面を硬い床に擦り付けて許しを請うた。 自分たちがどんな悪いことをしたのか、どれ程気に障ることをしてしまったのかは分からない。 それでも、心の底から謝罪すれば、砂粒程の慈悲が与えられる筈だ。 「ん? 嫌だよ。そんなことより、これ見てよ。隙間用ノズルっていうんだけどね。今回は、掃除機の先にこれを付けるんだ。U2C0の吸引力だと一瞬で吸い込んじゃって面白くないからね。当然、赤ちゃんゆっくりの大きさはノズルの穴より大きいから、ゆっくりゆっくりと、ぐじゅぐじゅに潰れて吸い込まれて行くんだよ。とってもゆっくりしてるでしょ?」 電子レンジで作ったプリンに、一つも「す」が入らなかった時、人は言葉では表現できない爽快感を感じることができる。 それに匹敵するほどの爽快で気持ちのいい拒否であった。 ゴキブリの糞以下のプライドを投げ打って行った懇願は、完全に無駄に終わった。 それでも尚、ゆっくり夫婦は懇願を続けるが、男は取り合おうとしない。 そして、遂にその時が訪れた。 楽しい楽しい「スーパーちゅうっ!! ぜつっ!!」タイムの開幕である。 「えいや!」 先の尖った刃物の様な形状のノズルがまむまむに、空気運送用の管が腹にそれぞれ突き刺さった。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!!! いだいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 必死に歯を食いしばって耐えるれいむの表情は、悪鬼の如く醜く歪み、聖母の如く慈悲に満ち、娼婦の如く淫猥さを醸し出した奇妙なものであった。 まりさの小汚い短小ぺにぺに以外受け入れたことのないれいむの穴。 それも、全く濡れていない状態のそれでは、細い隙間ノズルといえども相当な負担である。 「れいむぅぅぅぅぅぅぅ!!!? やめであげでねぇぇぇぇぇ!!!! いだがっでるよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 今まで見たことも無い、れいむの凄惨な表情に思わず、ゆっくり種特有の叫びを上げるまりさ。 しかし、そんな通り一辺倒な要求が今更通る筈も無く、掃除機のノズルは、れいむのまむまむをブチブチと破壊しながら、奥へ奥へと進んで行く。 「おや? モニターの赤ちゃんを見てなくていいのかな?」 そうだ!! おちびちゃんは無事なのか!? 男の言葉に反応して咄嗟にモニターを確認するれいむとまりさ。 そこには、先程までと同様にゆぴー、ゆぴーと寝息を立てるおちびちゃんたちの姿が映し出されていた。 よかった無事だ。 そう思ったのも束の間。 胎児の収まった空間の壁の一部が盛り上がり、何かが姿を現す。 紛うことなき隙間ノズルであった。 突如としてモニターに表れたそれは、日本刀の様な形状も相まって、獲物に飢えた妖刀の如き迫力を醸し出している。 男は暫くの間、感触を確かめるために、右へふらふら、左へふらふらとノズルを動していたが、その動きがピタリと止まった。 感触確認終了。 先程までのふらふらとした頼りない動きとは異なり、真っ直ぐに獲物に直進する。 先ずはれいむ。 今にも破けそうな頬をノズルの先で何度か小突く。 その度に胎児れいむは、くすぐったそうに身じろぎし、両親は悲鳴を上げる。 「だめぇぇぇぇぇぇぇ!!!! おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!!! にげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 両親の悲痛な祈りは、何処にも届かなかった。 それどころか、胎児れいむはノズルに対して「ゆぅ~ん、しゅーり、しゅーり」と頬ずりをしていた。 初めてのすりすりを無機物に奪われた両親の心境は、如何程であろうか。 しかも、それはすりすりどころか、今から命を奪い去るのだ。 何と滑稽な喜劇。 「いよーしっ! U2C0! スイッチ・オン!!」 死の宣告と共に掃除機が唸りを上げ、ゴオォォォッ!! というパワフルな吸気音が室内に鳴り響く。 一方、モニターの中では、より劇的な変化が起こっていた。 「ゆっ!!? ゆぴ!! ゆぴ!! ゆびびびびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!?」 強烈な吸引力が捕らえたのは、胎児れいむの柔らかな頬であった。 れいむの胎内の赤ゆの大きさは、せいぜい直径4cmのピンポン玉程度。 それに対する隙間ノズルの吸い込み口の幅は、1cmにも満たない 普通のゴミなら吸い込み口に入らずに、ノズルにへばり付くことになる。 しかし、今回のゴミは、生まれる前の脆い饅頭であり、吸い込むのは最強の改造掃除機だ。 哀れ、胎児れいむの柔らかい頬は、ノズル吸引口の形に合わせてズビュルッと綺麗に剥ぎ取られ、そこから中身の餡子が急速に吸われて行く。 「や……、れ…にょ、あ…きょしゃ……ゆっ……」 「だべぇぇぇぇぇぇ!!! おぢびぢゃぁぁぁぁぁ!!! ゆっぐりじぢゃだべぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「やべどぉぉぉぉぉぉ!!! ぐぞじじぃぃぃぃぃぃぃ!!!! まじざのおぢびぢゃんにびどいごどずるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 胎児れいむは、中身を吸われて衰弱しつつも、必死に生きようと足掻いた。 しかし、足掻けば足掻くほど、皮は裂け、餡子は解れて吸われて行く。 親れいむは必死にモニターに激を飛ばし、親まりさは悪鬼の形相で男に止めるように講義するが、状況は一向に好転することはなかった。 「ゆ、ぴ、ぱ…ぴ……ぷ……」 そして最後の時は、あっさりと訪れた。 ジュボボボボボという餡子を吸い上げる音がゴォォォという空気を多く含んだ音に変わったのだ。 それは即ち、赤ちゃんれいむの中身が殆ど無くなってしまったことを意味する。 ジュリュン ある程度の重さと粘り気を持つ餡子と違って、ゆっくりの皮など吸い込むのに大した時間はかからない。 小さな吸引口を潜れるほどに薄っぺらくなってしまった胎児れいむだった物は、ある程度の原型を留めて掃除機の中へと吸い込まれていった。 リボンと一房の髪の毛が名残惜しそうに残っていたが、それも数秒で粉々に引き裂かれてノズルの中に消えていった。 こうして赤ちゃんれいむのゆん生は、幕が開く前に終わった。 外の広い世界を知ることも、両親とゆっくりすることも、おいしいものをむーしゃむーしゃすることもなく、そればかりか「ゆっくりしていってね!!!」も「もっとゆっくりしたかった……」すら言えずに、ただただ身を引き裂かれる苦しみだけを味わって死んだ。 「お……おち………びちゃん? うそ…うそだよね!? うぞっでいっでよ!!!! ぞ、ぞんなのっでないよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 「ゆっがぁぁぁぁぁぁぁ!!!! ごろずぅぅぅぅぅぅぅ!!!! ごろじでやるぅぅぅぅぅぅ!!!!」 一方、我が子を惨殺された両親も物凄い様相を呈していた。 悲痛に暮れるれいむに怒りを顕にするまりさ。 どちらも、ゆっくりという言葉の対極に位置しているのではないかと思われるほど、ゆっくりしていない。 だが男は、そんな両親など気にも留めないで、残った赤ちゃんまりさの吸引にかかった。 基本的にやることは、れいむと変わらないはずだが、どうも様子がおかしかった。 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃ!!!! びゅーびゅーしゃんは、こっちきょにゃいでにぇ!!!!」 姉妹が隣で惨殺される音を聞いた胎児まりさは、目を覚ましていた。 そのことに気づいた両親も、せめて最後に残った子供だけでも助けたいのか「はやく!! おそとににげるんだよ!!!」と声援を送る。 しかし、彼女たちは、気づいているのだろうか。 出口はノズルが塞いでいるため、決して出られないということに。 事実上詰みであった。 後は、潔く死ぬか、じわりじわりと苦しめられて死ぬかの差でしかない。 どちらにしても、ノズルを操る男の匙加減一つで決まってしまうことではあるが。 それでも赤ちゃんまりさは、必死にノズルから逃げ回った。 ……数分後 「ゆぴぃ、ゆぴぃ、ゆっきゅり、ゆっきゅりしちゃいよ……」 胎児まりさは、まだ生きていた。 この赤ちゃんまりさが特に優秀であったというわけでは、勿論ない。 体力は既に尽き、あんよは真っ赤に腫上ってしまっている。 柔らかい母親の胎内であるとはいえ、十分に発達していない体で動き回るのには無理があった。 それでも、胎児まりさは生きていた。 胎児まりさが、ゆぴぃ、ゆぴぃと苦しそうに喘いでいる時だけノズルの動きが止まるのだ。 そして、ある程度回復したら、再びノズルは胎児まりさを追い回す。 先程から幾度となく繰り返されてきた行為であった。 しかし、ここに来て、胎児まりさは、遂に痛恨のミスを犯してしまう。 コロリン 「ゆぅぅ!? まりしゃにょ、しゅてきにゃおびょうししゃん!!! まってぇにぇ!!!!」 既に疲労困憊であった胎児まりさは、帽子を落としてしまったのだ。 これで、胎児まりさの運命は決まった。 どの道死ぬ運命に変わり無かったわけではあるが。 「ゆぅしょ、ゆぅしょ、まりしゃのおびょうししゃん、ゆっきゅ……り……。どぼじでびゅーびゅーしゃんがめにょまえにいりゅにょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 帽子を拾うために這いずる胎児まりさの眼前には、恐ろしいノズルが突きつけられていた。 踵を返して逃げようとするが、もう遅い。 吸い込み口は、その穢れをしらない金髪をしっかりと捕捉していた。 しかし、この胎児まりさ、生き残ろうとする意思だけは、胎児れいむ以上であった。 なんと外壁、つまり母親の子宮に噛み付いて吸い込みに抵抗したのである。 これには、一瞬顔を顰める親れいむであったが、子供のためと必死で堪えた。 「ゆぐる、ぎぎ、ぎぎ」 暫しの間、そうやって耐えていた胎児まりさであったが、結局その行為は苦しみを長引かせるだけに終わった。 ついに、体に限界が訪れたのである。 最初に壊れたのは、頭皮であった。 綺麗な金髪ごとベリベリと剥された頭皮は、くしゃくしゃになって吸引口の中へ消えた。 後は、餡子が無くなるまで吸えば、胎児れいむと同じ末路を辿ったであろう。 「あーあ、何かもう飽きちゃったな。ターボモードで一気に吸っちゃうか」 苦しむ時間が減るという意味では、胎児まりさにとって幸運だったのかもしれない。 そこからは、瞬く間の出来事であった。 吸い込む風の力が上がった瞬間、胎児まりさの体が空を舞った。 子宮から歯を放したのではない。 子宮に噛み付いたままの歯は、歯茎共々そこに残っている。 それ以外の部分が千切れたのだ。 歯が一本も無くなってしまった胎児まりさであったが、慟哭する暇など与えられはしなかった。 その疲弊しきった小さな体は、ノズルに触れた瞬間、皮も餡子も一緒くたになって、ズジュルロロッと吸い込まれていった。 結局、親れいむの腹の中に残ったのは、胎児まりさの帽子と子宮に喰らいついた歯茎だけであった。 「あー、楽しかった」 そう嘯く男に答えるモノはいない。 先程まで、煩いほどに絶叫していたゆっくり夫婦も、今は沈黙を保っている。 まるで、嵐の前の静けさのように、穏やかでありながら、ピリピリとした空気が漂っていた。 「…して」 最初に口火を切ったのは、れいむであった。 「かえして……。かえじて! がえじて!!! がえじでぇぇぇぇぇぇ!!! なんで、なんでおぢびぢゃんをごろじだの!!!? でいぶだぢ、ゆっぐりじでだだげなのに!!!! どぼじで!!? どぼじでぇぇぇぇぇぇ!!!!?」 何の捻りも無いゆっくりらしい慟哭だった。 だが、それ故に彼女の感じた絶望感が気持ちいいほどに、ヒシッヒシッと伝わって来る。 男には、そのように感じられた。 「どうして? 別に意味なんてないよ。強いて言うなら、君らを見つけたとき物凄く苛々したからかな」 身も蓋も無かった。 「それに、おちびちゃんなら、ちゃんと返してあげるよ」 そう言って、男は掃除機から何かを取り出した。 れいむには、否、正常な意識を持った人間ならば、到底信じられない言葉だ。 しかし、もう絶望しか残っていないれいむは、藁にでも縋りたかった。 己の腹の中で起こった惨劇だ。 自分が一番近くに居ながら、何も出来なかった母の絶望とは如何ほどのものであろうか。 唯の藁でもいい、糠喜びに終わったとしても、もう失う物はない。 涙すら枯れ果てたのだ。 故に、れいむは、この藁に縋った。 それが唯の藁ではなく、掴んだものを暗く冷たい水の底へと誘う呪物だとも知らないで。 胎児ゆっくりを吸い殺した掃除機には、前後に二つの蓋が付いており、その前側の蓋には、紙フィルターが取り付けられていた。 その中に詰まっている物を敢えて答える必要もあるまい。 「ほーら、君たちの可愛かったおちびちゃんだよ」 そのグズグズの餡子塊の中には、千切れた赤いリボンや皮のへばり付いたブロンドが混ざっていた。 それを目の前に突きつけられた、れいむの瞳から流れる最後の一筋。 もう彼女に、何かを成す気力など無い。 「ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……ごろじでやる……」 これは、まりさであった。 別段、彼女はずっと黙っていたわけではない。 只管に同じ言を繰り返すだけなので、後で相手してやればいいと考えた男は、ずうっと放っておいたのである。 「随分とお冠だね。そんなに怒るなら、最初から止めに入ってればよかったんじゃない?」 「おまえが……おばえがうごけなぐしだんだろうぅぅぅぅぅ!!!!」 あまりにも白々しい男の態度に、溜まりに溜まったまりさの怒りが爆発した。 そうだ、こんな鎖と杭なんて無ければ、目の前の屑人間を八つ裂きに出来たんだ。 少なくとも、まりさの頭の中では、それは確定事項であるらしい。 「ふーん。でもさ、その鎖、反しなんて付いてないから、ゆっくりにでも結構簡単に抜けるんだよ」 口元を歪めて男が語った内容は、まりさには到底信じられないことであった。 少し動くだけで激痛が走るのだ。 こんなもの自分の力だけで抜ける筈が無い。 「ああ、勿論、抜くときは、すっごく痛いよ。でも、可愛いおちびちゃんのためなら我慢出来ないわけないよね。それでも動かなかったってことは、別におちびちゃんとかどうでもよかったんでしょ?」 男の話は、嘘ではない。 確かに反しの付いていない杭程度なら、ゆっくりでも引き抜くことは可能である。 ただし、その痛みは「すっごく痛い」で済まされるものではない。 「ぞんなわげあるがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! だいじな!!! だいじなおぢびぢゃんなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「あーあ、可愛そうにな。お父さんは、おちびちゃんが死ぬ程痛い目にあってるときに、自分がちょっと痛い思いをするのが嫌だからって、簡単に見捨てちゃう最低な親だったなんてね」 怒り狂ったゆっくりを絶望させるのは、容易い。 男がまりさの相手を最後にしたのは、そのためだ。 感情が大きければ大きいほど、その矛先を変えるのは容易く、辿り着く絶望も大きい。 男は、自分のしたことを棚に上げて囃し立てる。 お前が、悪い。 子供が死んだのは、お前のせいだと。 「ぢがうぅぅぅぅぅ!!! わるぐないよ!!! まりざはわるぐない!!! やべろぉぉぉぉぉ!!! いぶなぁぁぁぁ!!!! いわないで!!! いやだぁぁぁぁぁぁ!!!!」 あと一息だ。 あと、ほんの一押しで心が根元から圧し折れる。 「おちょうしゃーん、にゃんでたしゅけてくれにゃかったにょ? すっごきゅ、いたかっちゃよ。おとうしゃんがたしゅけてくれりゅとじゅっとしんじてたにょに」 紙フィルターの中身をまりさの目の前にぶちまけて、気持ちの悪い裏声で下手糞な赤ちゃん言葉を使う男の姿は、この上無く悍ましかった。 だが、その下手糞な物真似でも、倒壊間近のまりさの心を倒すには十分過ぎた。 「いやだ!!! いじべないで!!! ぎぎだくない!!! いやだ!!! いやだ!! いや! いや……」 歯を喰いしばり、諾々と涙を流すまりさが言葉を放つことはもうなかった。 俯いてヒッグヒッグと嗚咽を漏らす姿に、一家の大黒柱の貫禄などない。 心に未来永劫消えることのない傷を負い、外部の刺激を一切拒絶したその様は、只只憐れであった。 「終わった、な」 そう満足気に呟く。 目の中の輝きは、既に消えていた。 ―――――――――――――――――――――――――― 「はむっ、はむっ」 人里離れた山奥に、ひっそりと佇む小さな洋館があった。 ゴシック様式の内装には、立派な暖炉が設えてあるのだが、造られてから一度も使われていない。 フローリングの下全体に広がる床暖房が故障しない限り、それが役目を果たすことは永遠にないだろう。 「はむっ、はむっ、もっきゅもっきゅ、はふっ、はふっ、しまふっ」 「大活躍だったね、ゆゆこ。沢山おあがり。でも、御代わりは幾らでもあるんだから、もっとゆっくり食べなさい。あと、しまふっとか言うな」 その一室には、掃除機無双していた男と「ゆゆこ」と呼ばれるゆっくりがいた。 ゆっくりゆゆこ。 それは、ゆっくりの中でも希少種と呼ばれるグループに分類される。 成体のサイズは、平均的な物で直径2mもあり、幼体でも直径50cmの大型ゆっくりである。 桜色の髪の上に人魂を模した図形をあしらった帽子を被ったそいつの最大の特徴は、とにかく大食らいなことだ。 特に物を吸い込む力は凄まじく、成体ならば人間の子供程度、簡単に飲み込めてしまうために特に注意が必要である。 しかし、男の足元で一心不乱に食事を摂っているゆゆこの大きさは、どう見ても直径20cmも無い。 掃除機の中にすっぽりと入る程度の大きさ、とでも言った方がいいのだろうか。 男の自慢の作品「手乗りゆゆこ」であった。 男が勤める会社は、「掃除機になるエコなゆっくり」をコンセプトに男に開発を指示していたのだが、結局出来上がったのは、吸引力だけは変わらずに成体ゆゆこを縮小化しただけの大食らいであった。 食費ばかりかかるそれは、エコでも何でもない。 当然そうなることは、作る前から男にも分かっていた。 仕事より趣味を優先する男の性格が、遺憾なく発揮された結果である。 それでも会社を首にならない理由は、山中に洋館を建てたり、ゆゆこの食費を余裕で捻出したり出来ることを鑑みれば説明する必要もなかろう。 「おや、もう御代わりかい?」 安楽椅子に腰掛けて本を読んでいた男は、ゆゆこの咀嚼音が聞こえなくなっていることに気が付いた。 御代わりかと思いゆゆこの方を見遣るが、どうやらそうでもないようだ。 皿には、男が作ってやった鶏ハムのブロックが半分ほど残っていた。 「ゆゆ~ゆゆゆ~?」 「あー、何であの夫婦にあんなことしたのかだって?」 元々、捕食種であるゆゆこは、別段ゆっくりを殺すことに忌避感を抱いたりしない。 だが、それ故に食べるわけでもなしに、ゆっくりに惨い仕打ちをする男の心情が理解出来ないのだ。 「うーん、そうだねー。さっきのれいむにも言ったけど、あいつらがムカついたからかな」 椅子から立ち上がった男の双眸には、またドス黒い輝きが渦を巻いていた。 そのまま、窓辺へと歩み寄りながら男は続ける。 「冬に子供を作ったゆっくりの夫婦は、確実に越冬に失敗する。賢いゆっくりなら生き延びるかもしれないが、そもそもまともな夫婦なら冬に子供を作ったりしない。まあ、あいつらは、越冬の準備すらしていなかったようだけどね」 窓の外に向けられた視線の先には、二匹のゆっくりがいた。 ずりずりと這って進む二匹が、時折歩を止めるのは、北方より吹き寄せる冷たい寒気のためか、それとも……。 「愛は素晴らしい。愛し合うもの同士なら、どんな苦難も超えていけるだろうさ。その果てに死が待っていても、甘んじて受け入れられるだろうね。だが、子供はどうなる。結局、ゆっくりも人間も馬鹿な親の元に生まれると不幸になるだけだ。それは、今も昔も変わらない。なら、どうせ死ぬ命なんだ……。俺がおもちゃにしたって別にいいだろ」 這い進む二匹のゆっくりに向けられた男の視線は、既にその二匹を映してはいなかった。 男がゆっくりの夫婦を通して見つめているのは、遠く離れた遠方の地か遥か遠い過去の世界か、窺い知る方法など有りはしない。 「こぼね~、こぼね~」 男の意識を現実に連れ戻したのは、男の足に触れる感触であった。 そこには、頻りに頬ずりをするゆゆこの姿。 心配そうに自分を見つめる彼女を見て、男は己の失態を自覚した。 「あー、ごめんごめん、後半は蛇足だったね。お詫びに、スイーツ(苦笑)でお口直ししよう。御一緒してくれるかい? お嬢さん」 「ゆゆー♪」 間も無く本格的な寒波が訪れる。 全てを白く染め上げる死の季節の到来だ。 果たして、沢山の「あまあま」を手土産に持たせて解放してやった二匹は、春を無事に迎えることができるのか。 そのような思案は、男の頭の中からスポポーンと弾き出されていた。 ゆゆこを膝の上に置いて、共にティラミスをつつく男の頭の中は、一つのことでいっぱいであった。 「ゆゆこのほっぺは、おっぱいみたいに柔らかいな」 次回予告 「にんげんざん、おねがいじまずぅぅぅぅぅぅ!!! どうか、どうか、まりさたちのおちびちゃんをれいぷしてくださいぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 流れ落ちる涙の先に 「なっちゃいねーな……。都会派な愛? 笑わせんな!!! テメーのレイプにゃ、愛がない!!!」 真の愛などありはしない!!! 「お……おね…がい、お…にいさん……。いかないで……ありすをすてないでぇぇぇ……」 都会派の愛、その行き着く先とは…… 次回 「餅は餅屋、レイプはレイプ屋」 ……を書くかどうかは、微妙なところ。 あとがき 文体が毎度変わるのは、仕様です。 虐待作家としても、SS書きとしても駆け出しですので、色々と試行錯誤していきたいと思っております。 ですので、この書き方よかったとか、逆にこれはイマイチとか感じられましたら、是非ともご教授下さい。 あ、それと名前なのですが、正式に「ポールあき」を名乗ることにしました。 前作の感想の最後に「聖帝あき」という案をいただきましたが、とんでもない!!! 私のような矮小な糞虫如きが聖帝様の名を冠した御名前を名乗るなど、許されざる行為です!!! それに、どうやら皆様方は、どうあっても私をポールあきにされたいようでしたので、脳味噌をステーキにされたポール君には、本当に申し訳ありませんが、御名前を頂戴することにいたしました。 最後に感想を下さった方々へ まずは、お礼を。どうもありがとうございます。 嬉しい励ましの御言葉も、痛烈な批判の御言葉も、頂くたびに血肉にさせていただいております。 重ね重ねになりますが、本当にありがとうございます。 以下、前作の謎Q&A Qこれ「でいぶ」と違くね? Aポールあきの作品群では、「でいぶ=太ったれいむ」と解釈していただければOKです。つまり、頼もしいでいぶとか、太っ腹お母さんでいぶとかが、いつか出てくるかもしれません。ちなみに、やたらかっこいい男前なれいむは「デーブ」になります。 Q神代さん? 神代さんじゃないか!? Aイエッス。最初は、単なる餡子脳お兄さんを書いていたのですが、何か神代さんっぽいなーと思ったので、急遽ノブレス・オブリージュ的要素を追加いたしました。 Qこの賽銭箱は、まさか……。 Aイエッス。anko506「お前(ry」に出てきた彼女です。どうせなので出しました。 Qハンバーグ…だと…? Aフードプロセッサーを使ってタネを作って、オーブンで焼けばゆっくりにも出来る……と思います! 前に書いたやつ ふたば系ゆっくりいじめ 394 お兄さんと冷めた肉饅 ふたば系ゆっくりいじめ 408 お前もポールさんみたいにしてやろうか!? ふたば系ゆっくりいじめ 442 肉まんと出かけよう 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 491 肉まんと出かけよう 完全版 ふたば系ゆっくりいじめ 501 ゆっくりしたモノの義務 挿絵:儚いあき 挿絵: 挿絵:すいそー
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変わらない笑顔「白崎 つぐみ」 読み:かわらないえがお「しらさき つぐみ」 カテゴリー:Chara/女性 作品:大図書館の羊飼い 属性:光 ATK:4(+2) DEF:4(+2) 【登場】〔自分の OS:オーガスト のキャラ1体を【表】から【裏】にする〕 [自動]【パートナー】自分のバトルフェイズ開始時、ターン終了時まで、このキャラ以外の自分の 大図書館の羊飼い のキャラすべては攻撃力が1上昇する。このキャラ以外の自分のキャラが4体以上登場している場合、自分の控え室のカード3枚をバックヤードに置いてもよい。そうした場合、かわりに攻撃力が3上昇する。 [自動]【ターン1】このキャラがガードキャラに選ばれた場合、ターン終了時まで、このキャラは耐久力が3上昇する。 RR:わたし、みんなにありがとうって言いたかったんだ SP:絶対に諦めません illust:べっかんこう AU-219 RR SP 収録:ブースターパック 「OS:オーガスト3.00」
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お昼休み。私達はいつものように4人でお弁当を広げていた。 うん、お弁当。今日はチョココロネじゃないのですヨ。 「もぐもぐ・・・」 「どう、こなた。おいしい?」 「おっ、また腕を上げたね。とってもおいしいよ、かがみ」 「よかった~、味付け不安だったけど、大丈夫だったみたいね」 「よかったね、お姉ちゃん」 わたしの心からの即答に、神妙な面持ちだったかがみの表情が明るくなった。 そう、今日のお昼はかがみお手製のお弁当。 わたしとかがみがお互いの気持ちを伝え合った────恋人になったあの日から しばらくして、時々作ってきてくれるようになった。 当初はチョココロネばかりじゃ栄養が偏ってよくない、とまぁかがみらしい言い訳を していたけど、最近はそんなこと言ったのを忘れてるくらい入れ込んでるみたい。 もちろん、わたしにとっては嬉しいことだったし、拒む理由は微塵もない。 味のほうはまだまだ普通なんだろうけど、腕が上がってきてるのは確かだし、かがみん補正で どんなもんでも美味しく感じちゃう。わたしも染まってるなぁ~。 「お姉ちゃん、最近がんばってるもんね。突然、料理のこと教えて、って言われたときは びっくりしたけど」 「まぁね。このままずっと下手のままでもいいかって思ってたくらい、料理に興味なかったし」 「だよね~。あのかがみがね」 「何か言ったか?」 「イエイエ、気のせいですヨ?」 「よっぽど泉さんのこと想っていらっしゃるんですね。ほら、想いは人を動かすといいますし」 「うんうん、特に料理は心込めて作るのが一番だよ」 「ちょ、ちょっと。みゆき、つかさぁ・・・」 「こなちゃんも嬉しそうだね~」 「愛情いっぱいの手作り弁当、そして照れるかがみん、なんて萌えるシチュエーション」 とうっ! 箸をおいてかがみんへダイブ。 「こら、抱きつくな! 場所わきまえろって……。ほらほら、馬鹿なことやってないで さっさと食べなさいって。なんなら私が代わりに食べてやろうか?」 「あぁん、そんな殺生な~」 言われなくともっ、と席に戻りほおばる。って、なにじーっと見てるんですかかがみさん。 つかさにみゆきさんがなんとも生暖かい目で見てるよ。 「微笑ましいですね~」 「そうだね~」 教室は今日も騒がしい。以前とちょっと変わったわたしたちの掛け合いも 周りからは相変わらずの風景と思われてるようで、とりたてて気にかける人もいない。 相変わらずといえば、つかさとみゆきさん。二人とも、わたしたちの関係を知っても 同じように接してくれる。今みたいに、ちょっとひやかされたりもするけどね。 ────それは、少し前の放課後。 めずらしくみゆきさんに、「どこかでみんなでお茶しませんか?」と誘われたので、4人で 学校近くの喫茶店へ。 注文を一通り頼むと、みゆきさんが口を開いた。 「実は……その、ですね。泉さんとかがみさんにお尋ねしたいことがありまして。 個人的なことですし、もしかしたら勘違いでとんでもなく失礼かもしれないのですが……」 「ん~、なになに? どんと聞きたまへ」 「みゆき、どうしたの?」 「えっと、ですね……」 目をそわそわさせて、なにか躊躇ってたみゆきさんだったけど、意を決したのか私達の方を 見て続けた。 「その、お二人は……お付き合いをなされてるのでしょうか」 「えっ? ええええええっ!!」 一番びっくりしたのが図星を突かれたわたしたちではなく、突拍子な話をいきなり聞かされた つかさだったのは、まぁなんというか。 とりあえず落ちついてください、とみゆきさんに宥められている。 苦笑しながらかがみと顔を見合わせる。 「あはは、流石みゆきさんだね」 「ふふ、そうね。やっぱり気づいちゃってたかー」 本当はしばらく隠すつもりだったけど、やっぱ後ろめたい気持ちもあり、どうしようかと かがみと悩んでた矢先だっただけに、みゆきさんが先手を買ってでてくれた形になった。 「あまり詮索するのはよろしくないと思ったですが、何かよそよそしいというか、私と つかささんに遠慮されている感じがしまして……」 「そっかぁ。普通を装ってたんだけど、それがかえって変だったかな」 「まぁこなたが普通って、ある意味変だし」 「……容赦ないね、かがみん」 「結構前から薄々はそんな気はしてましたよ。お二人が一緒のときはとても嬉しそうでしたから。 でも、最近の異変に気づいたのはつかささんなんですよ」 「へっ、つかさが?」 ちょっとびっくり、という感じでつかさを見た。うん、とうなづきながら、 「最近のお姉ちゃん、お家で難しい顔してることがあったし、こなちゃんも学校で ぼーっとしてること多くなかった?」 「そういわれると、そうねぇ。どうしようか考えてたりしてたから」 「わたしの場合はただの寝不足な気もー」 「あんたは……」 「寝不足だったら、こなちゃん我慢しないで眠りしちゃうでしょ。それとは別に、起きてんだけど 授業中とか外眺めてたりとか」 「へぇ~。あんたでもそんなセンチメンタルな気分になるのね」 「ひっどぉ~わたしを何だと思いかっ」 「ごめんごめん、こなたのそんな姿ってなかなか想像つかなくてっさぁ」 ぷぅー、とふくれてるわたしをかがみがよしよしと撫でてくれる。きもちいいなー。 つかさがニコニコしてこっちを見ている。 「ほんとうに仲いいよね~。よかったぁ。まさかとはおもったけど、ケンカとか しちゃったのかなって。それでね、ちょっと心配でゆきちゃんに相談乗ってもらったの」 「それはいくらなんでもないっしょ。意外なことは気づくのになー」 「まぁ、つかさなりに心配だったんだろうけど。私とこなた、いつも一緒にいたでしょうに。 ケンカしてる相手と四六時中いるほどお人よしじゃないわよ?」 「あはは、そうだね~。でもお姉ちゃんとこなちゃんが付き合ってるなんて、ゆきちゃんも 言ってなかったし、びっくりだよぉ~」 やっぱつかさはつかさだなぁ。鋭いのかやっぱり鈍いのかよくわからないヨ。 でー、とかがみが改めてみゆきさんのほうを見て、 「つかさに相談されて確信した、と」 「えぇ。確信はあったのですが、やはり万が一ということもありますし。お二人から 話してくださるまで私の心の中に留めて置くつもりでした。でも、つかささんではないのですが、 改めてお二人の様子を見ると私も心配なってきてしまいまして。すみません、答え難いことを お聞きしてしまって……」 みゆきさんがとても申し訳なさそうにしてるので、あわてて答え返した。 「いやいや、謝らなくていいよ。いずれは話すつもりだったし、むしろ切っ掛けを作ってくれて 感謝、って感じかな。ね、かがみ」 「そうね。どう切り出したらいいものかずっと悩んでたし。気にしなくていいわよ、みゆき」 「そうですか……ありがとうございます」 「心配かけちゃってごめんネ、二人とも」 「いえ、予感はいい方向で当たってたましたから。お二人とも幸せそうで何よりです」 「うんうん。おめでとう、お姉ちゃん、こなちゃん」 …………って、あれ? 「いやいやいやまてまて。その前に疑問はないのか?」 かがみもおかしいことに気づいたらしい。 「え、なんでしょう?」 「いや、だからその、わたしたち女の子同士で付き合ってる訳なんだけど」 「うん、そうだね~」 「それが、どうかしましたか?」 「あー……うん。つかさがそんな反応しそうなのはわかるんだけど」 こなちゃん、さりげなぐひどいこと言ってる、とつかさが抗議してるがとりあえずおいといて。 「みゆき、本当に変だと思ってないの?」 「ええ」 一呼吸置いてからみゆきさんがつづけた。 「お二人の恋愛がこの国で必ずしも祝福されるものとは言えないのは承知しています。 それでも頑張ってる方はいますし、世界に目を向ければ決して稀なことでもありません。 もちろん茨の道ですし、厳しい事が多々待ち受けてると思います」 うん。決して手放しで喜べる関係じゃない。 お互いがどうしてもあと一歩踏み出せなかったのも、これが理由の1つなのは 違いなかったし。もちろん、それだけじゃなかったけど。 「でも、お二人でお決めになさった事ですし」 それでも、勇気を出して告白しあったんだよ。 「泉さんもかがみさんも、心からお互い好き合っているのですよね?」 想い、通じ合えたよ。 わたしの思ってるが読み取れたのか、いつものほんわりとした表情でみゆきさんが応えてくれた。 「それなら、私は親友として、お二人を影ながら応援させて頂くまでですよ。つかささんも そうですよね」 「うん! 難しい話はあまりよく分からないけど、お姉ちゃんとこなちゃんに幸せになって欲しいな。」 つかさも持ち前の笑顔で言ってくれた。 「つかさ……みゆきさん……」 「ありがとう、二人とも」 様子を察して心配してくれて、うまれたての、でも女同士という奇特な恋、それでも 祝福してくれるふたりに胸の奥がほっこりする。 はは、ちょっと視界が曇っちゃたヨ。ここは一つごまかすために……。 「あー、かがみん涙目~」 「な、何いってんのよっ。あんたこそ普段ありえないくらいうるうるさせてるじゃない」 「気のせいだヨー」 しばらく見合ってたけど、あまりにベタ過ぎて、おもわず笑い出してしまった。 つられてかがみも、様子を見てたつかさとみゆきさんも笑い出した。 「そうだ、ふたりとも」 「はい?」 「な~に、こなちゃん」 「これからも、今までどおり接してもらえるかな?」 「周りにあまり感づかれないようにですか?」 「んーん。変に気使われるのも恥ずかしいしさ。それに、この4人での空気は大事に したいなぁ、って。かがみは一番大事だけど、それに負けないくらいつかさやみゆきさんも 大切な友達だからね」 「そーゆーこと。改めて言うのも変だけど、これからもよろしくね」 わたしたちからのお願いに、二人は顔をちょっと見合わせてたけど、すぐに答えてくれた。 「言われずとも、もちろんですよ。これからもよろしくお願いしますね」 「うん、当然だよ。嫌だっていっても一緒だからね?」 「あ、もちろんご用事の際は遠慮なく言ってくださいね」 「そうそう、お邪魔しちゃ悪いからね~」 快い回答とともに表情はちょっとニヤニヤしてる。や、やるなー……。 まぁ、これぐらいは親友の特権ということで。 またどこからとなくわたしたちの間に笑いがおこる。和やかな空気。 この空気を壊さずにすんでよかった。 ありがとう、つかさ、みゆきさん。 ────かがみの"手料理"を食べながら、ふとこないだのことを思い出していた。 「そういえば、あんた今度の休み、暇?」 「んー?」 呼ばれて、我に戻って返事をする。 「もしよければ買い物に付き合って欲しいんだけど。あ、嫌ならいいのよ」 「ほうほう、デートですか~」 「で、デートってそんなんじゃぁ…」 「えぇっ、ちがうのー? これってデートのお誘いだよね、つかさ、みゆきさん」 「そうですね。泉さんとかがみさんは恋人同士なんですし、デートだと思いますよ」 「そうだよー、お姉ちゃん。素直になろうよ~」 「ほらほら、二人もこう申しておりますヨ」 集中砲火でかがみがゆでだこよろしく真っ赤。 ツンデレっぷりもさえてるし、ほんとかわいいなぁ。 「うっさい! …んでどうなのよ、いけるの?」 「かがみとならどこでもばっちこーい。あ、でも今度の休みは確か先約があった気が……」 「あらまぁ」 「残念~」 いやいや、かがみが残念がるなら分かるけど、なぜそこの二人もそんなに暗くなってるの。 「あんたが用事とは珍しいわね。また何かのイベントか?」 「ん~・・・あ、思い出した。ネトゲ仲間との約束だった」 「ちょ、ネトゲかよっ!」 「いやね。ここんとこかがみとの時間を大事にしてたから、休みとかもあんま繋いでなくてね。 わたしはそれでも全然かまわなかったんだけど。こないだ久々に入ってたらさ、たまには どーよ、と。まだ特に用事もなかったし」 「まぁ先約じゃ仕方ないわね」 「でもいいや、あっちはキャンセルするよ。わたしもかがみといるほうが楽しいしさ」 「いいわよ無理しなくっても。それにいくらゲームといっても相手に悪いじゃないの」 と口ではいってるけど、がっかりしてる感がみえみえデスヨ、かがみさん。そこまで ツンデレなくていいって。 「ううん、かがみ様が最優先事項だヨ? リアルが最優先、みんなそうだしね。つい こないだまで逆だったわたしが言うのもなんだけど。それに……」 耳元で、かがみにだけ聞こえる小さい声で──── ────なにいってんのよ、馬鹿…… 「お姉ちゃん、顔真っ赤だよ~。こなちゃん、なに言ったの?」 「それは、秘密です」 どっかの誰かのような口真似でごまかしたけど、わたしの顔も多分真っ赤だ。こんな台詞、 かがみ以外には聞かせられないヨ。 「そゆことで、かがみんにお付き合いするよ~」 「ほんとにいいの?」 「もちっ」 「ふふっ。ありがと、こなた」 かがみとっても嬉しそう。わたしもしあわせな気分になる。 すると、目で合図してきたので、もちろんとうなずく。 「で、つかさとみゆきも一緒に行かない?」 「えっ、お姉ちゃん達デートじゃないの?」 「そうですよ、お二人のお邪魔したら悪いですし」 「いいのいいの。私達は一緒にいられればそれで十分だし」 うん。心が通じ合ってるから、それだけで幸せになれるんだよ。 「どうしても二人っきりでどっか行きたい時はわざわざ人前で言ったりしないわよ。 それこそただの惚気じゃない」 「さっきまでのも十分のろけだと思うよー」 「そ、それは……その……」 つかさがどんだけー、といいだけだ。図星つかれてかがみんたじたじ。 「かがみははっきりデレるようになったからねー。わたしは以前とあまり変わってない気が するんだけどネ」 「泉さんも変わられましたよー。以前は結構茶化してごまかすこととか多かったですし。 最近はきちんとかがみさんの気持ちに応えてあげてますしね」 「うんうん、こなちゃんのほうが変わった感じするよ。ほんと、お姉ちゃんのことが 好きなんだね~」 うぉっ、地雷踏んだか。みゆきさん、表情はニコニコなのに発言えぐいデス。つかさも 追加攻撃してくるし。 じゃれあうのは慣れてるけど、こういうのはとても恥ずかしいヨ。 「ヒヒヒ、たまにはこっ恥ずかしい思いしなー。んで、二人ともどうする?」 「それじゃ、せっかく誘っていただいてますし。ご一緒させてもらいます」 「うん、私も行くよ~」 「よし、んじゃ今度の休みは4人でパッーと遊ぶかっ」 「らじゃぁー」 「それに、お姉ちゃん達見てると楽しいし。ね、ゆきちゃん」 「そうですね~」 「今度はどんな惚気を見せてくれるのかなー」 「私達はオチ対象かっ! こなたも何か言ってやんなさいよ」 「えー、わたしは別にかまわないし~。かがみんは照れ屋さんだもんネ」 「さっきまで真っ赤にしてたヤツの台詞か!!!」 今日もいつもと同じように時が流れてく。 いや、やっぱちょっと変わったかな。 わたしとかがみの関係がちょっと変わったように、お昼ごはんがチョココロネから お弁当に変わったように、わたしたち4人の関係もすこし変わったかな。ずっと 同じままなんてありえないしね。 でも、親友であることは変わらないし、これからもずっと変わらないと思う。 みんながそう望んでいれば、きっと大丈夫だよね。 そして、かがみの恋人であることも、ずっと。 あ……でも、こっちは変わってほしいかな。もっとより進んだ関係に、ネ。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-21 12 08 22) 恋人同士になっても、いつもの延長に居れる4人全員に萌えた!GJです! -- 名無しさん (2010-04-14 22 17 19)